新規事業の設備投資のために融資を受けたいと考えています。金融機関では「事業性評価」を行うようですが、(1)事業性評価について教えてください。また、(2)融資を申し込む前に、どのような備えが必要でしょうか。
(1)事業性評価とは
新規事業計画が適正な利益を確保できるのかを客観的に評価することを事業性評価といいます。
具体的には、新規事業の3~5年の損益計算書で営業利益が出るかどうかを見ます。ここでの黒字化が難しくても、少なくとも営業利益に減価償却費を加えた額がプラスでなければ、事業計画は一から見直す必要があります。営業利益+減価償却費はEBITDA(イービットディーエー)と呼び事業性評価の重要な指標となっています。必ずシュミレーションしてみてください。
また、新規事業では直接利益を計上できなくても、本業とのシナジーが働いてプラスになる場合もあるので、その点も考慮し、判断する必要もあります。
製造業などでは、新規事業の技術力の評価が本業の評価も高めて本業の売上向上に貢献することもありますからね。
もちろん、新規事業の3~5年間の売上はどう予測するかが重要です。事業の内容が顧客ニーズにマッチし、独自性があり他社との差別性が高いかどうか、簡単に競合に真似されないこと、想定する市場規模は適切かどうか、販路の目途があるかどうかなどに加え、新規事業を推進する貴社の経営力すべてを検討したうえでの説得性のある事業計画を作成する必要があります。決算書にあらわれない貴社の強みが表現された事業計画を作成してください。
(2)融資申し込みに際して
普段から金融機関との良好な関係性構築を心掛けてください。正確な業績開示が必要です。良くも悪くも自社の現状と今後の打ち手について自ら進んで開示しましょう。 正確な業績開示と今後の打ち手について、毎月金融機関に報告に行かれることをお薦めします。 以上、相談者の現状を把握していないので、一般論ではありますが、ご参考になれば幸いです。素敵な事業計画を作成してください。
岸 中小企業診断士事務所 岸 克行 先生
〈専門〉経営計画、マーケティング、事業承継
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〈所在地〉生駒市東生駒4-500-37
社長と会社を元気にする経営コンサルタントです。
掲載日: 2018/7/ 5 (更新: 2018/7/ 5 )