あと5年ほどで60歳になります。公的年金の受給資格期間(保険料納付済等期間)が平成29年8月から10年に短縮されたようですが、(1)手続き等が必要なのでしょうか。また、(2) 2、30代の部下にとっても、短縮されることは利点になりますか。(損する人はいるのでしょうか?)
(1)手続き等の要否(60 歳)
あなたの場合、何もする必要はありません。本年8月1日(施行日) において60歳以上の方で、保険料納付済期間や保険料免除期間等いわゆる受給資格期間が10年~24年の方、即ち今回の改正で新たに年金受給の資格を得る方を対象として、本年2月以降7月末までの間に5回に分けて順次「年金請求書」が送付されています。新受給者の認定は9月分からで、支給開始は10月からとなります。
(2)短縮されることで利点はあるか(2、30代)
これまで、受給資格期間が25年未満の場合、納付した保険料が掛け捨てになるところが、10年以上あれば、掛け捨てにはならないということですから、2、30代の若い世代にとってもメリットとなります。但し、留意すべきは、10年間保険料を納付すれば、年金を貰う資格が発生しますが、受給できる年金額は、納付期間に比例します。10年しか受給資格期間がない場合は、老齢基礎年金の場合、40年満期納付の場合の年金額(月額約65千円) の1/4しか年金は受給できません。国の年金は、税金や事業主から納付額と同額の補てんがあり、有利な運用手段でもあるので、必ず、加入し、保険料を納付すべきことをよく理解させてください。
坂本人事企画社労士事務所 坂本 公則 先生
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掲載日: 2017/9/ 5 (更新: 2018/3/21 )