中小企業退職金共済制度とは
安全・確実・有利。管理も簡単な退職金制度
中小・零細企業において単独では退職金制度をもつことが困難である実情を考慮して、中小企業者の相互扶助の精神と国の援助で確立した退職金制度。中小企業の従業員の福祉の増進と、雇用の安定を図ります。
基本退職金額表(一部抜粋)
納付年数 | 千円当たりの額(円) | (特例掛金月額) 2,000円 | (掛金月額) 5,000円 | (掛金月額)10,000円 | (掛金月額)30,000円 |
---|---|---|---|---|---|
1年 | 3,600 | 7,200 | 18,000 | 36,000 | 108,000 |
20年 | 266,660 | 533,320 | 1,333,300 | 2,666,600 | 7,999,800 |
40年 | 591,790 | 1,183,580 | 2,958,950 | 5,917,900 | 17,753,700 |
45年 | 682,630 | 1,365,260 | 3,413,150 | 6,826,300 | 20,478,900 |
- 本表には付加退職金を含んでいません。
- 法令の改正により変わることがあります。
- 基本退職金額表[中退共本部]
掛金
- 掛金月額は次の種類から、賃金や勤続年数に応じて従業員ごとに選択できます。
- 月額5,000円から10,000円まで(1,000円単位)
- 月額12,000円から30,000円まで(2,000円単位)
- 短時間労働者は、上記の掛金月額のほかに、次の特例掛金月額も選択できます。
月額2,000円から4,000円まで(1,000円単位) - 税法上の取り扱い
(個人事業主)事業所得の必要経費扱い
(法人)損金扱い
- 本制度の掛金は、全額事業主負担です。
- 従業員ごとの「契約成立日」の属する月分から「退職日」の属する月分までを納付します。
- 掛金は取扱金融機関の口座から毎月18日(同機関休業日の場合は、翌営業日)に振り替えます。
- 加入従業員ごとの納付状況、退職金試算額を年1回事業主にお知らせします。
- 前納
掛金は12箇月分を限度に前納(一括納付)できます。前納の際は「掛金前納申出書」を前納したい月の前月25日までに提出したください。
※ただし、過去勤務期間分のみの一括納付はできません。 - 月額変更
従業員ごとに変更できます。変更の際は「月額変更申込書」を変更したい月分の前月15日までに提出してください。
※前納した月分の掛金月額を変更することはできません。 - 掛金月額の減額
次のいずれかに該当する場合は、掛金を減額できます。- 従業員が同意した場合
- 厚生労働大臣が認定した場合
- 掛金月額の助成
助成期間中は、掛金月額から助成額を控除した額を納付していただきます。
【新規加入助成】
初めて本制度に加入する事業主に対して、加入後4箇月目から1年間、国が助成します。
【月額変更助成】
掛金月額を増額変更する事業主に対して、増額する月から1年間、国が助成します。
【注意点】 - 新規加入助成期間中に増額変更する場合は、「新規加入助成」と「月額変更助成」の両方が対象になります。
- 同居の親族のみを雇用する事業主は、「新規加入助成」及び「月額変更助成」の対象にはなりません。
- 事業主からの「被共済者退職届」の提出により、退職する従業員の掛金振り替えを中止します。(退職日の属する月分まで振り替えます。)
(参考)掛金[中退共本部]
ここがおすすめ
- 有利な国の掛金助成
初めて中退共制度に加入する事業主及び掛金月額を増額する事業主に掛金の一部を国が助成します。 - 簡単な管理
従業員ごとの納付状況や退職金試算額を事業主にお知らせするので、退職金の管理が簡単です。 - 税法上の特典があります
納付した掛金は、個人事業主の場合は事業所得の必要経費、会社等の法人の場合は損金に算入することができます。 - 掛金月額の選択
掛金月額は、従業員ごとに16種類から選択できます。また、掛金月額は加入後いつでも変更できます。 - 短時間労働者の特典
短時間労働者の方には、一般の従業員より低い特例掛金月額も用意しています。また、新規加入助成に上乗せがあります。 - 掛金の一括納付(前納)ができます。
- 通算制度でまとまった退職金が支給できます。
- 退職金は直接従業員へ支払われます。
- 福利厚生に利用できる提携サービス
加入企業の特典として、中退共本部と提携しているホテル、レジャー施設等を割引料金で利用できます。 - 存続厚生年金基金(解散存続厚生年金基金)・特定退職金共済(特退共)事業を廃止した団体からの移行ができます。
ご利用についてのご案内
加入資格・条件
- 加入できる企業は業種により異なります。常時雇用する従業員数又は資本金の額・出資の総額のいずれかが次の範囲内であれば加入できます。ただし、個人企業や公益法人等の場合は、常時雇用する従業員数によります。
業種 資本金の額又は出資の総額 常時使用する従業員数 製造業、建設業などの一般業種 3億円以下 300人以下 卸売業 1億円以下 100人以下 サービス業 5,000万円以下 100人以下 小売業 5,000万円以下 50人以下 - 加入後、従業員の増加等により中小企業者でなくなった場合、一定の要件を備えていれば、確定給付企業年金制度(DB)、確定拠出年金制度(企業型DC)、又は特定退職金共済事業に退職金相当額を引き継ぐことができます
- 会員、非会員を問いません。
- 以下に該当する場合は、加入できません。
- 事業主及び小規模企業共済制度に加入している方
- 法人企業の役員。ただし、役員であっても使用人兼務役員等従業員として賃金の支払いを受けている場合は加入できます。
- 独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営する「特定業種(建設業・清酒製造業・林業)退職金共済制度」との企業の重複加入はできますが、同一の従業員の重複加入はできません。
(参考)加入の条件[中退共本部]
加入を検討されている方
「もっと詳しい情報が知りたい!」という方は、本所までお気軽にお問合せください。
【窓口受付時間】 午前9時~午後5時まで(土・日・祝日は休業)
- ご加入前に、以下の注意事項を必ずご確認ください。
- ご来所いただける場合は、事前にご連絡をお願いします。
電話:0743-74-3515
― 注意事項 ―
- 制度の案内や「加入に際してのご確認」等を必ずご一読いただき、記載の給付内容・共済金等金額・保険料等がご意向に沿った商品内容であるかをご確認の上、お申込みください。
- 契約成立日は、提出先の受付日となります。
- 加入手続き
必要書類をご用意の上、本所窓口までお申込みください。
【所定の書類等】
※窓口にて配布
・新規申込書
・預金口座振替依頼書(届出書)
・印鑑
【必要書類】
※必要に応じて、下記書類の他、記載事項を証明する書類を提出いただきます。- 中小企業者であることの証明書
- 短時間労働者であることの証明書(「労働条件通知書(雇入通知書)」又は「労働契約書」の写し)
- 包括加入の原則
制度への加入は事業主の任意ですが、加入する場合は、全従業員を加入させなければなりません。
※以下の場合は、加入させなくても差支えありません。 - 期間を定めて雇われている者、試用期間中の者
- パートタイマーのように労働時間の特に短い者、季節的な仕事のために雇われている者
- 休職中の者
- 定年などで短期間内に退職することが明らかな者
- 短時間労働者を加入させる場合
申込時に「労働条件通知書(編入通知書)」又は「労働契約書」のいずれかの写しが必要です。添付がないと、特例掛金月額への申し込みや変更は認められません。
― 関連資料 ―
加入されている方
- パンフレットは申込み後も大切に保管してください。
- 従業員ごとの「加入通知書」及び「退職金共済手帳」を発行します。
- 退職金の算出
(退職金の額) = (基本退職金) + (付加退職金)
基本退職金(固定額)と付加退職金(毎年度)の合計金額、二本立てです。 - 基本退職金とは
掛金月額、掛金納付月数に応じて法令に定められている金額で、予定運用利回りを1%として設計し定められた金額 - 付加退職金とは
運用利回りが予定運用利回りを上回った場合、これを基本退職金に上積みするもので、運用収入の状況等に応じて定められる金額です。 - 退職金の請求
- 従業員の退職が決まったら「被共済者退職届」を提出してください。退職する従業員の掛金振り替えを中止します。(退職日の属する月分まで振り替えます。)
- 「退職金請求書」の事業主記入欄に記入・押印して、従業員に渡してください。
- 退職した従業員は「退職金請求書」の従業員記入欄に記入・押印し、退職金の受け取り金融機関で預金口座の確認印を受けてください。
- その後、必要書類を添えて中退共本部まで送付してください。
※必要書類(印鑑証明書又は住民票のいずれか1通とマイナンバー制度の本人確認書類)
※退職金額が300万円以上の場合は印鑑証明書を添付
- 退職金の支給
退職した従業員から中退共本部に送付された「退職金共済手帳(請求書)」に基づいて、退職した従業員の預金口座に退職金を振り込みます。- 退職時に一時金払い(一括払い)で支払います。
なお、一定の要件を満たす場合には「全額分割払い」、「一部分割払い(併用)」を選択することもできます。 - 振り込み前に、退職金額等を事業主及び従業員にお知らせします。
- 掛金の納付が1年未満の場合は、退職金は支給されません。2年から3年6箇月で掛金相当額となります。(長期加入者の退職金を手厚くするため。)
- 事業主が従業員に代わって退職金を受け取ることはできません。
- 税法上の取り扱い
(一時金払い)退職所得
(分割払い)公的年金等控除の対象となる雑所得
- 退職時に一時金払い(一括払い)で支払います。
- 手続き
- 通算制度
【過去勤務期間】
初めて本制度に加入する事業主に限り、従業員の勤務期間に応じた退職金が支給できるように、加入前の勤務期間分についても掛金を納付することができます。
- 小規模企業共済制度に加入していた期間は通算できません。
- 特定業種退職金共済制度に加入していた期間は通算できません。
- 納付期間終了前に退職した場合過去勤務期間の通算はされません。
- 納付月数が11箇月以下の場合でも過去勤務掛金の納付額相当は退職金としてお支払いします。解散存続厚生年金基金及び特定退職金共済事業を廃止した団体から資産移換する従業員は過去勤務期間の通算はできません。
退職金は一般にその企業限りのものですが、一定の要件の下で従業員の転職時にすでに積み立てられていた退職金を引き継ぐことが可能な通算制度があります。
- 解約手当金 本契約を解除する場合、従業員に解約手当金が支払われます。
- 税法上の取り扱い 解約手当金は一時所得となり、課税の対象となる場合があります。
- 解約手当金の計算方法は退職金と同様ですが、掛金助成を受けている場合、掛金助成相当額または解約手当金額の100分の30のいずれか少ない額が減額されます。
参考情報
本制度に関する事項
- 本制度の運営主体
独立行政法人勤労者退職金共済機構
中小企業退職金共済事業本部(中退共本部)(電話:03-6907-1234)
中小企業退職金共済法(昭和34年)に基づき運営されています。 - 本所は、「委託事業主団体」です。
※[契約者]事業主(中退共本部と「退職金共済契約」を締結)
[被保険者]従業員
[保険料負担者]事業主